韓国発祥の格闘技・テコンドー

テコンドーは、韓国を発祥とする伝統的な武道で、1950年代に現代武道として体系化されました。

その語源は韓国語で「テ」(足)、「コン」(拳)、「ド」(道)から成り立ち、足技と拳技を通じて心身を鍛え、礼儀や精神性を高める道を意味します。

この武道は身体の柔軟性や敏捷性を重要視し、特にダイナミックな足技が特徴として知られています。他の武道と異なる点は、その技術体系において足技が70%以上を占めることにあります。

テコンドーの技術は、防御技、攻撃技、型(ポムセ)、そして試合技術(キョルギ)に大別されます。型はテコンドーの基本的な動きを体系的に学ぶ練習方法であり、伝統的な動作を通じて技術と精神性を磨きます。

一方、試合では実践的な攻防を学び、競技者同士の戦術的なやり取りが展開されます。このように、テコンドーは競技としてだけでなく、自己防衛、フィットネス、精神鍛錬のための総合的な武道として親しまれています。

テコンドーの試合は、主に国際テコンドー連盟(WTF、現・WT)が定めるルールに基づいて行われます。試合は矩形のコートで行われ、競技者はそれぞれ青と赤の防具を着用します。

主な防具には頭部プロテクター、胴体プロテクター、アームガード、レッグガードなどがあり、安全性を確保した上で試合が進行されます。試合は3ラウンド制が一般的で、1ラウンドは通常2分間行われます。

得点は、正確かつ強力な攻撃を相手の胴体または頭部に成功させることで獲得できます。

胴体への攻撃は基本的に2点、回転技を伴う攻撃なら4点が与えられます。一方、頭部への攻撃は3点、回転技を伴う場合には5点という高得点が期待できます。

得点以外にも、相手の攻撃をかわしたり、防御する技術も審査対象となり、試合運びの巧妙さが勝敗を左右する重要な要素となります。

テコンドーの魅力は、その多様性と奥深さにあります。まず第一に、そのダイナミックな技術体系は見る人を圧倒し、実際に取り組む人にとってもやりがいがあります。

特に、回転技や高難度のキックは、習得するまでに時間と努力を要しますが、成功したときの達成感は格別です。

これらの技術を通じて、身体能力だけでなく、集中力や忍耐力を高めることができます。 また、テコンドーは老若男女を問わず誰でも取り組めるスポーツです。初心者から経験者まで、個々のレベルに応じた練習プログラムが用意されており、競技者は自分自身のペースで成長を楽しむことができます。

さらに、テコンドーを通じて、礼儀作法や尊敬の精神を学べることも大きな魅力です。稽古中や試合前後には挨拶や礼が重んじられ、他者への感謝の心を育むことができます。